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34.ヒラギノ特太行書 人気の理由(?)

こちらの「木の看板」ではロゴ書体の持ち込みも歓迎していますが、こちらが用意した筆文字風書体などを使ってのご注文の方が多いです。オリジナルのロゴ書体を自前で用意するのにはノウハウの情報や費用なども必要になります。こちらのサイトでは「看板書体一覧」から、筆文字風書体を含め、複数の書体を比較検討しながら、自由に選ぶことができるようにしています。

最近は飲食店だけではなく、一般企業・大学の研究室・福祉関連施設などからも一枚板の看板のご注文をいただくことが多くなりました。それに伴って、筆文字風の「京円(きょうまどか)」や「豪龍」を抑えて、「ヒラギノ特太行書」が幅広い人気を集めています。行書体は他にも「HG行書体」「FG行書体マール」「白舟太行書」などが人気なのですが、「ヒラギノ特太行書」が突出しています。

今回はその一番人気の「ヒラギノ特太行書」の秘密に迫ります。次の画像は「い」のひらがなの文字を「ヒラギノ特太行書」と「HG行書体」の同じフォントサイズで比較したものです。

「HG行書体」が全体的に滑らかな文字輪郭に対して、「ヒラギノ特太行書」では全体的にやや太く、1、2、3、の〇の部分がややいびつになっています。「ヒラギノ特太行書」は書家の元字をもとに、太さ・線質などを整えて作られた書体だとのことです。画像1、2、3、の部分などは元字の特徴を活かした自然な筆文字の印象が残っています。3、の部分は筆をいったん留めた時の膨らみが感じられます。

次の画像は「ヒラギノ特太行書」の「品」の文字です。

「品」は「口」が三つの漢字ですが、筆文字での「留め」や「撥ね」を巧みに表現しつつ、同時に全体的な統一感や上品さを併せ持つ稀有な書体だと思われます。

そして、このように細かいところまで気を配りながら作成されたところが、「ヒラギノ特太行書」が看板書体人気No.1になっている理由ではと納得するに至りました。

※「ヒラギノ特太行書」以外の人気書体も含めた「4. 人気のフォントロゴ書体」は下記で紹介しています。

→ https://kinokanban.jp/topics/archives/59