木の看板は無垢板素材と共にロゴが命(?)です。「ロゴ」は書家が書いた筆文字、あるいはパソコンのフォントを基にする場合がほとんどです。
今回はパソコンのフォント書体の話で、木の看板のロゴとしてどのような書体が人気があるのか、実例を上げながらご紹介します。
毎月十数点の木の看板のご注文をいただいていますが、その中で、書体フォントを基にしたロゴは60~70%程度ではないかと思われます。そして、残りが書家による筆文字などのオリジナルロゴになります。
オリジナルロゴはオンリーワンの書体で素晴らしいロゴになる可能性が高いのですが、費用がかかり、でき上がりが予測しにくいこともあります。その点、書体フォントは費用もかからず、いろんな書体で事前にロゴを確認することが容易にできます。
それに、最近は筆文字風を初め、書体の種類も多く、オリジナルロゴに負けないくらい素晴らしいものもできるようになりました。それに、店舗看板で、この職種はこの書体が・・・みたいな定番フォントの傾向もあります。
それから、書体フォントの利点として、太さ・文字間・大きさなどが自由に調整できる他、看板材の形に応じて、縦につぶしたような文字を作るなど、ソフトの処理でいろいろ加工することができます。
例えば、こんな感じです。
左が通常の「天真」のフォント、右は各文字の大きさ・位置を変え、文字間を広げ、文字全体をやや縦長に、文字をやや太めに、したものです。
和文フォントの代表的な例はこのページの最下段に紹介していますので、ご参照ください。以下、人気のフォントの実例紹介です。
これから看板を作ろうとしている人の参考になれば・・・。
【ヒラギノ特太行書】
「ヒラギノ特太行書」は筆文字風で、品格と迫力を兼ね備えており、いろんな分野の看板のロゴとして支持を集めています。特に、研究機関・大学関連・企業などの表札看板に人気があります。
【京円(きょうまどか)】
書家の小林圓佳氏の字母を基に作られたもので、正統派の筆文字風書体です。フォントっぽいところが全くなく、墨のにじみを生かした筆文字は温かみや重厚感が漂い、店舗看板にぴったりで人気の書体です。
【豪龍】
筆文字風でかすれが特徴的な書体で、名前のように豪快で力強い字体です。
【黄龍】
強弱をつけた柔らかな筆のタッチが特徴的な筆文字書体です。気品を感じさせる看板に仕上がります。
【魂心】
太字でどっしり感のある書体で、インパクトのあるロゴができます。
【武骨】
名前の通り、武骨で頑固な雰囲気を持つ書体です。こだわりの飲食店などに向いているのでは・・・。
【HG行書体】
行書体では「HG行書体」も根強い人気があります。あまり主張せず、落ち着いた雰囲気の書体が好まれるのでしょう。
【FG行書体マール】
行書体でどっしり感と上品さを兼ね備えた書体です。線の太さも看板向きです。
【FG楷書体マール】
楷書体では、太めの線でどっしり感がある「FC楷書体マール」が人気があります。木の看板のロゴとしてはやや太めが迫力のある看板に仕上がります。
【サムライ】
シャープさが特徴的な「サムライ」です。他とは違う筆文字風看板を作りたい時はお薦めのフォントです。ちなみに、「秋山組」の看板のそれ以外の文字は「ヒラギノ特太行書」です。
【天真】
ちょっと遊び心があって、上品な筆文字風書体「天真」です。和の雰囲気があります。
【江戸勘亭流】
店舗看板として、その職種によってよく使われる書体があります。この江戸勘亭流もその一つでは・・・。
【FGセイビジンダイUB】
「江戸勘亭流」とよく似ている書体です。酒店の書体にはFGセイビジンダイUBのフォントがぴったりですね。
【DFP流隷体W5&DFクラフト墨W9】
DFP流隷体W5、DFクラフト墨W9とも丸みのある柔らかな線で、アットホームな雰囲気が感じられる書体です。
「創作鉄板」がDFP流隷体W5で、「家」「ふみのさと」がDFクラフト墨W9
【鯨海酔侯】
線の太さの強弱で遊び心を出している「鯨海酔侯」です。書体名の由来は鯨がお酒に酔って海を彷徨っているイメージで作られたのでしょうか?
【CRバジョカ廉書体】
線の太さの強弱で遊び心を出しているのは「鯨海酔侯」と同じですが、丸みを帯びた書体は柔らかな感じがします。
木の看板制作で人気フォント15点を紹介しましたが、いかがでしょう。書体によって印象がずいぶん違いますね。お店(企業・グループ)のコンセプト・雰囲気などに合った書体でロゴを作ってみてはいかがでしょう。
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