16.落款(らっかん)の話

落款(らっかん)とは・・・

落款(らっかん)という言葉は、あまり耳慣れない言葉かもしれません。書や日本画に制作者が署名・押印すること、及び押印された印のことを「落款」と言います。

落成款識(らくせいかんし)の略語で「款」は陰刻(文字の部分を彫ること)、「識」は陽刻(文字の部分が浮き出るようにその周りを彫ること)を示します。

作品が完成(落成)し、その制作者を明らかにするために落款を押印するのですが、赤の落款によって作品全体を引き締める役目もあります。落款も作品の一部だということになります。

それから、落款の文字の配置は、正式には右から左に配置します。これはもともと日本語は縦書きで右から左に書かれていた名残で、例えば、「山田太郎」「山田」は右のようになります。

書体に関しては特別な決まりはなく、主に「篆書体」「隷書体」「行書体」「草書体」「古印体」などが使われています。

 

木の看板における落款

看板の場合の落款は、ロゴ制作者の署名と考える必要はなく、あくまでも看板デザインの一部ととらえればいいと思っています。看板のロゴは通常黒を主体としており、ワンポイントとしての赤の落款は看板全体を引き締め、視認性を高めることもできます。

落款に使う文字も、お店や店主のこだわりを表す文字を使ったらいいのではと思います。例えば、ラーメン店では「麺」、うどん店では「讃岐」とか、あるいは店主のこだわりで「樂」とか、ロゴとの兼ね合いもありますが、自由な発想で文字は決めたら良いでしょう。

なお、落款の彫りの場合は赤(朱)を塗る部分を彫り、白の部分は木肌になります。

【 看板での落款の実例 】

 

落款製作の無料サービス

落款のデザインも含めて、看板上での製作も無料で行います。ただし、書き(塗り)看板の場合とし、彫り看板の場合は彫りの料金が必要です。

落款の作り方には文字部分を赤く塗る場合と、文字部分を抜いて周りを赤く塗る場合とがあります。白の部分は木肌と言うことになります。文字のフォントは何でも構わないのですが、下記の「古印体」及び篆書体(てんしょたい)」が落款らしい雰囲気があります。

落款制作をご希望の場合は、看板見積りご請求時に、落款のタイプ(上記より選択)、ご希望の漢字(文字)などをお知らせください。落款を載せた看板のイメージ画像でご確認の上、看板製作いたします。