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  ■■■ 木&看板の話 9 森の現状と将来 ■■■

 
 
             ■木&看板の話 9 「森の現状と将来」■

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 木についていろいろ調べているうちに、木の原点である「森」の現状はどのようになっているのか、興味と共に調べてみる必要性を感じました。
 最近では「エコ」という言葉だけが独り歩きし、本質あるいは現実からかけ離れたところでの議論・活動になっているような気がしてなりません。私だって偉そうなことはいえませんが・・・。

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森の現状
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 まず、日本の森林面積は国土の66%で、世界有数の森林大国であることは周知のことのようになっています。ところが、国民一人当たりの森林面積となると、は0.2ha(2000平方メートル)で、最も多いカナダ(8.3ha)の40分の1、アメリカ(0.8ha)の4分の1にしかすぎません。また、日本は一人当たりの森林蓄積量が世界平均の約6分の1で、決して森林大国とは言えないのです。
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 ともかく、この国土の3分の2の森林の現状はどのようになっているのでしょうか。
森林にはその樹木の形態・人との関わりから「原生林」「天然林」「人工林」に分けることができます。
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 人工林は人の手によって杉などが植栽・造林された森林のことで、全森林面積の41%にもなります。この人工林は国産木材の需要の変動などから、手入れが放置されたところも多いようです。原生林は人がほとんど入らない森林、天然林は自然の木々が自生しているところですが、人が入って樹木の伐採などをしている森林のことを言います。
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 森林にはもう一つの分け方があって、「私有林」と「国有林(公有林)」、私有林は57%に達し、残りが国有林(公有林)になります。
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 注:上記の数字は主に1995年、林野庁の統計は発表によります。
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 余談ですが、「森」と「林」の違いって分かりますか?
「森」は木々が密集していて、上を見上げても空が葉で埋め尽くされてほとんど見えない、それに対して「林」は木々がまばらな状態の森林、という説が一般的です。
 一方、日本の農林水産省では人工林を「林」、天然林を「森」と定義しているようです。
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木材事情の変遷
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 日本の木材自給率は20%で、残りの80%は輸入材に頼っているのが現状です。国土の66%が森林で、そのうちの41%が人の手によって植栽された人工林であるにも関わらず、国内消費の80%が輸入材だという現実はいろんな問題をはらんでいます。
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 1950年から1970年代の高度経済成長期に、住宅建設ラッシュに伴って木材需要が急激に高まり、天然林を伐採した跡などに杉などを植栽する人工林の造成が官民をあげて行われました。  .

 ところが、その後木材輸入制限が緩和されると、海外からの安い輸入材が急増し、木材価格は一気に暴落したのです。採算の取れなくなった人工林の多くは、手入れが放置され山は次第に荒れていったのです。いっそのこと、天然林のままの方が森としての自然の役割を全うしていたものをとも思ってしまいます。
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人工林の造成&手入れについて
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 人工林は材木を生産することが第一の目的なので、効率的な植栽を目指します。すなわち、天然林の樹木を伐採、更地にし、そこへ同一年齢の同一樹種(杉が代表例)を一斉に植栽するのです。これを単層林施業といいます。
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 ところがこの人為的・効率的な植栽の手法は、山野・川を荒らし、台風などによって倒木が起こるなど自然のしっぺ返しを受けることになるのです。それで複層林施業といって、異なる年齢の樹木や複数の樹種を植栽するなどの試みもされるようになってきました。

 成長が早いといわれる杉でも、材木として使用できるまでには植栽されてから50年ほどかかります。また、生育の過程で、植栽初期は「下草刈り」、その後5〜10年周期で「ツル切り」「間伐」「枝打ち」などの手入れをしなければなりません。
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 ※下草刈り=苗木が周りの草に埋没しないように刈り取る作業
 ※ツル切り=樹木の生育を阻害するツル(蔓)を切り落とす作業
 ※間伐=適正な樹木密度の調整及び森林内の照度調整のため立ち木を間引く作業
       形の悪い立ち木の間引き作業を「徐伐」と言います。
 ※枝打ち=幹に節を作らないように枝を切り落とす作業
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 このような手入れを怠ると、立ち木が順調に生育しなかったり、生育したとしても材木として価値のないものになったりします。また、土砂崩れなどの自然災害を起こす原因になったりもします
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これからの林業政策
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 材木の供給源として人工林を造成したものの、価格的に輸入材に太刀打ちできず、また、過酷な労働条件もあって、林業就業人口の減少・後継者不足が深刻になっています。
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 そして、結果として日本の人工林の8割程度が未整備状態であるとされており、危機的な状況にあると言えるでしょう。
 この状況は林業の問題だけではなく、自然環境の問題としても重要です。
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 世界的な森林資源の減少や環境問題などから、輸入材に頼るのは困難になりつつあり
ます。また、植栽から材木としての切り出しまで50年もかかる林業政策は、環境政策と相まって、民間だけでの取り組みには限界があります。国が主導し、官民一体となって取り組む必要があります。
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 個人的な見解ですが、木材と水は循環型の資源だと思っています。化石燃料の石油や石炭はいずれ枯渇しますが、木は上手に付き合えば、その恩恵を半永久的に受け続けることができるのです。また、計画的な植林や間伐材の利用は天然資源活用と共に自然環境の保全にも役立てることができるのです。
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 「自然環境保全と天然資源活用の共存」は困難な問題ではありますが、人間の英知を信じたいと思います。
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※参考文献
  ⇒ 日本の森林・林業と林業労働力問題
  ⇒ 人工林
  ⇒ 日本の森林
  

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